赤紫とピンクの中間 | チガウカラー by Seedless

チガウカラー by Seedless

「色」をテーマに短くて抽象的なストーリーを紹介していきます。
光の角度によって違う輝きをみせる玉虫色のようなストーリー。
読む人の心の状態によって印象がかわり、決して完結しないため、結論は読み手がそれぞれの創造を膨らませて楽しめるように。

ダニエルは可愛い。

普段は仲間うちでもリーダー格。

若いコ達も「すごいよな!」って感じで憧れているようだ。

ちょっとクールで感情表現が苦手。

でも彼の心はとても暖かくて広い。

背は私よりもずっとずっと高くて体も大きい。

私たちが共有する2人だけの秘密。

人は誰でも意外な一面を持っている。

それを知って驚いたり嬉しかったりがっかりしたり。

私は彼のその変身をどう思ったのかな?

驚きはあったものの、嬉しかったかな?

そういう特別な、他の誰も見た事のないダニエルを感じられて。

ダニエルは夜、女の子になるのだった。

ダニエルと寝る時、私は男の子になる。

彼の表情、そのリアクションは可憐な少女のよう。

しかけるのはいつも私。そして主導権もいつも私が握っている。

彼は夜、月のせいでも星のせいでもいいけれど、兎に角魔法にかかるのだ。

男女が逆というよりも男同士に近い感覚?なんていうとちょっと倒錯しているが。

私は他人に無遠慮に自分の中に踏み込まれるのが好きではない。

ダニエルも多分そう。彼には同じような雰囲気を感じで自然に近くなった。

運命として、出会ってしまった私達。必然的に。

多分彼が女でも男でも、多分私が男でも女でも。

多分2人が女でも、多分2人が男でも。

今と同じように私達は一緒に居て毎日一緒に寝るのだろうと思う。



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