チガウカラー | チガウカラー by Seedless

チガウカラー by Seedless

「色」をテーマに短くて抽象的なストーリーを紹介していきます。
光の角度によって違う輝きをみせる玉虫色のようなストーリー。
読む人の心の状態によって印象がかわり、決して完結しないため、結論は読み手がそれぞれの創造を膨らませて楽しめるように。

rasen

青の階段を降りてゆく  降りて行く

見上げると遠く上の方に光るものが一つ

捨てたんだ僕は その光を捨てたんだ僕は

いままでがすべてだと思っていた僕は

いままでが一番だと思っていた

愛し愛されていたのかもしれない

愛されず愛せなかったのかもしれない

でも逃げたんじゃないんだ僕は

逃げてなんかいない

辺りを見回すと丸いカラーの真珠と

サンゴがぼんやりした灯をともしていた

どんなに似通った色があっても

みんな違うカラー

もう少し  もう少し歩いてみよう僕は

もう少し歩いてみるよ

そうすればこの階段が降りるべきものなのか

登るべきものなのかわかるだろう

もといた場所へ

帰るかもしれないし

帰らないかもしれない

君はいってしまっていんだよ

僕も歩くし

君も歩く

だから君も歩くべきだ そして僕も

いつか また 同じ場所へ行き着いて 僕達が

出会えることがあったなら またいつか